- サークルメンバーと売上を分けているけれど、誰が申告すればいいのか分からない
- 確定申告は代表者だけで済ませていいのか不安
- 会社にバレずに同人活動を続けられるか気になる
同人イベントや通販サイトでの売上が増えると、「この収益って税金どうなるの?」と悩む方は多いのではないでしょうか。
中には、確定申告をしないことで税務署に目をつけられるのではと不安になる人もいるかもしれません。
ですが、収益化している以上、正しく申告すれば問題はありません。
ただし、サークルメンバーが複数いる場合は、申告の仕方を誤るとトラブルの元になります。
この記事では、複数人で活動している同人サークルの確定申告と税金の考え方を税理士が解説します。
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サークルの収益は誰の所得?
まず大前提として、サークルは法人ではないため、サークル名義で確定申告はできません。そのため、サークルで得た収益は、メンバーの誰かの「個人所得」として申告する必要があります。
主な方法は以下の2つです。
- 代表者がまとめて申告し、利益を分配する方法
- 各メンバーが自分の分を個別に申告する方法
どちらの方法を選んでも、最終的に各個人が計上する所得額は同じになるため、所得税額に変わりはありません。ただし、消費税の扱いに違いが出るため、将来的に売上が1,000万円を超える可能性がある場合は、慎重に検討しましょう。
①代表者がまとめて申告し、利益を分配する方法
1つはサークルの売上と経費をすべて代表者が集計し、確定申告する方法です。

他のメンバーには、売上から経費を差し引いた「利益」を分配します。
税務上、サークルの売上は全額が一度代表者の所得として計上され、メンバーへ分配したお金は代表者の経費として「外注費」などの勘定科目で処理します。
具体例を見てみましょう。
- サークルの総売上:10万円
- サークルの総経費:3万円
- サークルの利益:7万円(10万円-3万円)
利益7万円を2人で分けるため、メンバー1人あたりの取り分は3万5,000円です。

代表者の確定申告は、以下のとおりです。
売上 | 10万円 |
---|---|
経費 | 6万5,000円 |
所得 | 3万5,000円 |
一方、メンバーは以下のとおり、代表者から受け取った3万5,000円を「雑所得」または「事業所得」として確定申告します。
売上 | 3万5,000円 |
---|---|
経費 | 0円 |
所得 | 3万5,000円 |
メンバーへの分配は、誰にいくら支払ったかがわかるように、領収書や銀行の振込記録などを必ず保管しておきましょう。
ただし、売上は一度すべて代表者の所得となるため、消費税には注意が必要です。
個人の課税売上高が年間1,000万円を超えると、原則としてその2年後から消費税の納税義務が発生します。もしサークル活動が大規模になり売上が1,000万円を超えた場合、代表者だけが消費税の課税事業者になる可能性があります。
②各メンバーが自分の分を個別に申告する方法
もうひとつの方法は、売上も経費もメンバー間で分けて、それぞれが確定申告するケースです。サークルの売上・経費を、例えば「50%ずつ」のようにルールに沿って分割し、それぞれの個人の売上・経費として計上します。

具体例で確認しましょう。
- サークルの総売上:10万円
- サークルの総経費:3万円
- サークルの利益:7万円(10万円-3万円)
これを2人で均等に分けるため、1人あたりの売上・経費・利益は以下のようになります。

各メンバーの申告内容は、2人とも同じで以下の通りです。
売上 | 5万円 |
---|---|
経費 | 1万5,000円 |
所得 | 3万5,000円 |
この方法であれば、売上が分散されるため、代表者一人に消費税のリスクが集中することはありません。ただし、メンバー全員が確定申告をする必要があるため、やや手間がかかります。
そもそも、同人活動は確定申告が必要?
同人活動の収益は、「雑所得」または「事業所得」として申告します。
確定申告が必要になるのは以下の場合です。
確定申告が必要になる条件 | |
給与所得者 | 副収入が年間20万円超 |
給与所得者以外 | 所得が年間48万円超 |
「所得」とは、「収入(売上)-経費」で計算した利益のことです。赤字の場合、基本的に税務署への申告の義務はありません。
申告義務については、「確定申告が必要かどうか4つの基準」で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。
なお、収入には、イベントでの頒布物だけでなく、BOOTHやDLsiteといった通販サイトでの売上、広告収益、グッズ販売など、同人活動に関連するすべての収入が含まれます。
活動が軌道に乗ってくると、意外と早く上記の基準を超えるケースもあります。「そこまで利益は出てない」と感じていても、売上や経費の記録は早めにはじめましょう。
よくある質問Q&A
ここからは、以下のよくある質問に回答します。
順番にみていきましょう。
確定申告しないと、同人活動ってバレる?
申告しないまま一定の収入があると、税務署から問い合わせが来る可能性があります。
近年では、税務署がX(旧Twitter)やブログなどをチェックしているため、SNSでの出店報告や売上報告を見て連絡が来るケースがあるためです。また、コミケなどイベント会場に税務職員が実態調査にくることもあります。
税務署へバレるルートは、「確定申告しないと同人活動はばれる?税務署が把握する5つの経路」で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
無申告が税務署の調査で発覚した場合、本来納めるべき税金に加えて、無申告加算税や延滞税といったペナルティがかかります。利益が少なくても、ルールに則って必ず申告しましょう。
確定申告すると、会社にバレる?
バレる可能性はありますが、対策は可能です。
確定申告をすると、住民税の金額が会社に通知される「住民税決定通知書」に反映されるため、給与担当者が気づくことがあります。
バレたくない場合は、確定申告書にある「住民税・事業税に関する事項」の「自分で納付」にチェックを入れましょう。

チェックをいれると、サークル収益分の住民税は自分で納めることになり、会社への通知書には反映されません。
ただし、申告内容や自治体自治体の運用によっては対応できない可能性もあり、100%ではありません。
まとめ|同人サークルも「収益化」すれば確定申告が必要!
複数人で活動する同人サークルの場合、以下のポイントを押さえることが大切です。
- 同人活動も収益があれば申告義務が発生する
- 誰の所得にするのかを最初に明確にする
- 収益の分配ルールや記録の方法を決める
- 経費や帳簿は正確に管理する
- 消費税の対象になる可能性もあるので慎重に検討する
もし判断に迷ったり、手続きに不安があったりする場合は、税務のリスクを減らすためにも税理士への相談を検討してみてください。
- 年明けにいつも確定申告でバタバタする
- 経理ミスがないか不安になる
- 税務調査がきたら…と心配になる
税理士に任せれば、あなたの不安を解消できます。
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